仮想通貨(暗号資産)取引では、「どの通貨建てで見るのか」の違いにより円建てとビットコイン建て(BTC建て)という2つの価格の見方があります。
円建ては「仮想通貨の購入時の支払い」「売却時の受け取り」を日本円で行なうことをいいます。日本円でリップルを買ったり、リップルを売って日本円に換えたりといった取引のことです。
価格は「1リップル=20円」というふうになります。
ビットコイン建ては「仮想通貨の購入時の支払い」「売却時の受け取り」をビットコインで行なうことをいいます。ビットコインでリップルを買ったり、リップルを売ってビットコインに換えたりといった取引のことです。
価格は「1リップル=0.00004000BTC」というふうになります。
目次
国内の仮想通貨取引所は基本的に「円建て」

基本的に日本国内の取引所では「円建て」で価格が表示されます。
はじめて仮想通貨に触れた方にとっても「1ビットコインが100万円」「1リップルが20円」というふうに価格が見れると分かりやすいですよね。
コインチェックやTAOTAOなどのアプリにはビットコイン建てでも見れる機能がついているので、「ビットコイン建てのほうが分かりやすい」という方でもワンタップで切り替えられますよ。
海外の取引所は米ドル建てかビットコイン建て
一方、海外の取引所では「米ドル建て」か「ビットコイン建て」が主流です。
特にアルトコインの取り扱い種類の多いFTXなどでは、ビットコイン建ての取引が最も盛んに行われています。
海外の取引所はさまざまな国籍の人が利用するので、各国の法定通貨を基軸通貨にするよりも、世界中のひとが共通して使えるビットコイン(BTC)を基軸通貨とするほうが便利だからです。
日本の仮想通貨トレーダーも慣れてきた人はビットコイン建てでみることが多く、そういうトレーダーは「いかにしてビットコインの枚数を増やすか」を考えて取引しています。
円建て・ビットコイン建てを比較
試しに、イーサリアム/円のチャートを見てみましょう。

1日チャートを見てみると、ここ2ヶ月は価格が上下しつつも横ばいなのが分かりますね。価格は7月の20,000円台から上昇し、35,000円前後で定着しています。
一方、同じ期間の1日チャートを「ビットコイン建て」で見てみましょう。

ビットコイン建てで見てみると、円建てチャートと全く違う動きになっていることが分かりますね。
7月は0.1BTCでしたが、どんどん下がって11月現在は0.045BTCと、半値以下の水準になっています。
円建てでは価格をキープしているように見えますが、ビットコイン建てでは「半値」になっている。
どうしてこんなことが起きるのでしょうか。
アルトコインの円建て価格はビットコイン価格をもとに計算
取引所のアルトコインの価格は、ビットコインの価格をもとに計算されています。
先ほどのイーサリアムの例だと、
イーサリアムは7月の約20,000円から約35,000円に75%程度上昇していますが、ビットコインは7月の約200,000円から約770,000円に、300%以上価格を上げています。

7月に1ETH=0.1BTCだったとき、ビットコインの価格は200,000円なので
ETH/BTC × BTC/JPY = 0.1 × 200,000 = 20,000
で計算され、1ETH20,000円でした。
11月に1ETH=0.045BTCで、ビットコインの価格が800,000円なので
ETH/BTC × BTC/JPY = 0.045 × 800,000 = 36,000
で、1ETH36,000円となります。
円建てでみると下がってるように見えなくても、ビットコイン建てで見ると半減していたりする。
同じ資金をビットコインで保有しておけば、2倍以上の資産を得られていたわけですね。
アルトコインは「ビットコイン建て」で見るほうが良い
アルトコインはBTC/JPYの価格に左右されることになりますので、私は実態を把握するために「ビットコイン建て」でチェックすることをおすすめします。
「○○コインが上昇している」
といっても、単にビットコインの価格が変動しただけの可能性があります。「円建て」でみるのはビットコインだけにして、アルトコインはビットコイン建てで確認するよう癖付けすることをおすすめします。
私もはじめは小数点がたくさん付くビットコイン建てに慣れませんでしたが、チャートを見ていれば慣れてきますよ。